封筒は机の上に一日置かれたまま、届いているのにまだ読まれていない状態でいられます。手紙の夢が今も残っているのは、その隙間を示す形が他に見当たらないからだと語られてきました。
画面に出る通知は、届いた時点ですでに開いています。手紙にはその隙間があります。机の上に一日置かれたまま、届いているのにまだ読まれていない状態でいられるからです。伝統が手紙という絵を手放さずにきたのは、この待ち時間のためだと語られてきました。夢に出てくる手紙はたいてい封をされたままで、手の中の封筒、見覚えのありそうな筆跡、開ける直前の一瞬しか残りません。
それでもこの絵が残っているのは、眠りが古い図像を今の習慣と同じくらい使うからです。届いているのにまだ読まれていない知らせを示すのに、封筒ほど分かりやすい形はありません。差出人の名前だけがどうしても思い出せないという型も、繰り返し報告されています。切手や消印まで覚えている人はまれで、そこが空白のままでも夢としては成り立ちます。
一度も開けない封筒は、特定の伝言ではなく、先延ばしにしている何かを表す型とされてきました。文字がじっとしていない、読もうとすると形が変わるという報告は非常に多く、象徴というより、眠りの中での文字の普通の振る舞いとして扱われます。長く連絡の途絶えた人からの手紙は、連絡そのものではなく、終わっていない会話として読まれるのが一般的です。書いたのに出さない手紙は、言わないと決めたことと重ねられます。宛名が自分ではなかったという報告も多く、届くはずのない知らせを受け取る立場として読まれます。
分かりやすい説明を先に置くほうが公平です。検査の結果や審査の返事、役所からの通知を待っている人には、この夢を見る理由がはっきりあり、実際の封筒が届けば静かに消えていきます。祖父母からの手紙をすべて取ってある人と、いちばん悪い知らせが茶封筒で届いた人とでは、同じ絵の読み方が変わります。年賀状の時期や、片付けの途中で古い封筒を見つけた日に増えるという話もあります。ここに書かれているのは、知らせが来るという予告ではなく、待っている状態の記述です。