届かない鞄、重すぎる鞄

読みが掛かるのは鞄の中身ではありません。どれだけあるか、誰が詰めたか、下ろせるかどうか。この三つで型が分かれます。失くす夢は乗り遅れる夢と地続きに置かれ、他人の鞄を運ぶ形はまた別に読まれます。

ベルトの上を通り過ぎる鞄に、どうしても手が届かないという場面。荷物の夢で語られる無力さは、たいていこの形をしています。解釈する側は荷物を、その人が抱えているものとして読んできました。掛かるのは中身ではなく重さのほうです。どれだけあるか、誰が詰めたか、下ろせるかどうか。中身を思い出せないという報告も多く、その場合は量のほうが記憶に残っています。

手に負えない数の鞄

いちばん多いのは、持ちきれない数の鞄が出てくる型です。この絵は昔から、両手に収まる以上に引き受けた務めと並べて読まれてきました。報告では、物そのものより苛立ちのほうがはっきり語られます。他人の鞄を運ぶ形は別に読まれ、選んだのではなく受け継いだ責任、家の期待や同僚の仕事を黙って引き取ることに結ばれます。鞄が壊れて中身が散らばる形は、抱えきれなくなった状態として語られます。開けたら空だった鞄はもう少し優しく扱われ、運んでいた重さほどには中身がなかったという読みになります。鞄を抱えたまま走っている形も報告があり、そちらは遅刻の夢のほうに寄ります。

失くす夢が空港に集まる理由

荷物を失くす夢は旅の夢の中でも報告が多く、乗り遅れる夢や遅刻の夢と地続きです。伝統的な線では、失くした鞄は必要なものを持たないまま着いてしまう恐れとされます。準備でも、資格でも、言い訳でもかまいません。誰かが自分の鞄を持って行ってしまう形もあり、こちらは取り違えられた責任として読まれます。この夢は現実の出発のまわりに固まって現れ、期限までに閉まらないスーツケース以上に不思議なものを報告しないことも多いのです。旅の予定や、その道中の面倒を示すものではありません。

その鞄には何が入っていたか

荷物には、多くの人にとって私的な歴史も付いています。持ち物すべてを二つの鞄に詰めて国を移った人にとって、スーツケースは毎年8月に南へ二週間出かける人にとってのそれと同じ物ではありません。学生のころの通学鞄が出てくる場合は、荷物ではなくその時期のほうが読みの入り口になります。鞄一般が何に立つとされるかよりも、夢の中でその鞄に何が入っていたかのほうが、よい問いです。

よくある質問

荷造りの夢は荷物の夢と同じですか?
近い組に入りますが、読みの重心が違います。荷造りは間に合うかどうか、荷物は何をどれだけ抱えているか。閉まらない鞄の夢は前者、重すぎる鞄の夢は後者に寄ります。
旅行の前にいつも同じ夢を見るのはなぜですか?
この夢は現実の出発のまわりに固まって報告されます。持ち物と時間を気にしている頭がそのまま夜に続いているだけで、道中の面倒を予告するものではありません。

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