10月8日から11月6日までの戌(いぬ)の月は、丑(うし)にとって、暦が助けも邪魔もしないふつうの月です。むしろ背景にある午(うま)年のほうが重要です。丑(うし)と午(うま)は、中国占星術で「害」と呼ばれる関係にあります。衝突よりも静かな親戚のようなもので、誤解や、少しずつ違う方向へ引っぱり合う動きとして現れます。一方で、火は土を育て、丑(うし)は土の動物なので、こつこつ続けた努力が目に見える成果につながりやすい年でもあります。10月は、これまでの働きに見合うものを受け取り、言わずにきたことを繕う月です。
伝統的な暦では、毎日が十二支のどれかの動物に当てられていて、十二日ごとにひと巡りします。相性のいい日は、あなたの干支と調和する動物の日です。気をつけたい日は、あなたの干支の真向かいにいる動物の日、つまり衝突にあたる日です。
1月から2月初めに生まれた人は、その年の旧正月の日付を調べて、自分の干支を確かめてください。
害の年は、言葉にしていない部分を試してきます。丑(うし)の盲点は沈黙です。気に障ることがあると黙って引っ込み、行動で察してもらえると期待しますが、雑音の多い年には、その静けさが冷たさと受け取られがちです。何か月も辛抱してきたパートナーが、「締め出されている気がする」とやっと口にするかもしれません。その一言を待たずに、月が穏やかで、苛立ちがまだ小さいうちに、自分から伝えておきましょう。
友人関係にも同じ気配りが要ります。親しい誰かが離れていたり、あなたを誤解していたりするなら、たいていは誠意の問題ではなく、伝え方の問題です。最近あなたのことを考えていた、と短く連絡するだけで、ほとんど手間はかかりません。相手を探しているなら、劇的な出会いよりも、友人の紹介や共同の活動から始まる縁のほうが合います。
辛抱強く続けてきた仕事が報われる月です。あたたかい火の気が土を支えるので、静かに抱えてきた案件が注目され、仕上がり、承認される可能性が高まります。増えるのは騒がしさではなく、責任のほうでしょう。任された仕事を取り落とさない人という評判は、いま現実にお金になる価値を持ちうるもので、あなたを当たり前のように扱ってきた上司が、ようやくそれを認めるかもしれません。
弱点は、自分の報酬を求めることです。給与や肩書き、仕事の範囲に関する決定が近づいているなら、気づいてもらうのを待たず、自分の言い分をはっきり伝えましょう。大事な取り決めは書面に残してください。害の年は、書類がはっきりしているほうが報われます。学生や、学び直しをしている人は、10月がゆっくり積み上げる時期だと心得ましょう。一晩ずつ進めて修了した講座は、突然のがんばりより重みがあります。
お金の習慣はおそらく堅実で、こつこつ貯め、早く増えるという話を健全に疑う姿勢は、変えなくてかまいません。気をつけたいのは貸し借りです。害は、お金が絡む場面でとくに信頼を傷つけやすいので、友人には、失っても許せる金額しか貸さないでおきましょう。分担する費用は、誰も記憶に頼らなくてすむように書き留めておきます。
あたたかい火の気は、長持ちするものへの実用的な出費に生かすのが向いています。道具、住まいの修繕、稼ぐ力を高める講座などです。10月は口座を整理し、冬の計画を立てる月にして、年末を準備のできた状態で迎えましょう。
あなたは多くのことを黙って背負っていて、その勘定は体がつけています。肩、あご、背中のこわばりや、一晩ぐっすり眠っても取れない種類の疲れに気をつけてください。静かな摩擦が続く時期には、決まった散歩、規則正しい食事、本当に守れる就寝時刻のような、地味で劇的でない習慣が合います。
丑(うし)がいちばん抵抗するのは、休むことです。止まると遅れを取る気がするからです。議論の余地をなくすルールを自分に課しましょう。週に一晩、まったく用事のない夜をつくること。今月から始めてください。
言いにくいことは、早めに、飾らない言葉で伝えましょう。失っても許せない額のお金は貸さないこと。職場では、気づいてもらうのを待たず望みを口に出し、取り決めは書面に残します。静けさを休息にあて、週に一晩は誰のものでもない夜にしましょう。気が向けば、害の年に小さな赤いものを持ち歩くのは、昔ながらのお守りのしぐさです。
11月7日から始まる亥(いのしし)の月も、丑(うし)にはふつうの月で、雰囲気は実務的です。家庭や貯金、冬の計画づくりに向いています。楽しみにしたいのは、12月7日からの子(ねずみ)の月です。子(ねずみ)は十二支であなたのいちばん近い相棒で、人間関係があたたかくなり、取り決めがなめらかに進みます。
中国暦の月は太陽の動きに合わせて進み、西洋暦の毎月4日から8日ごろにある節気の日で切り替わります。そのため、このページの日付は西洋暦の区切りではなく、太陽の位置から求めたものです。あなたの干支は、その年、その月、その日の動物と、十二支のあいだに古くから伝わる関係(調和、衝突、害、破)で照らし合わせています。これは伝統的な占星術で、自分を見つめ直すきっかけや楽しみのためのものです。事実を言い当てる予言でも、健康、お金、法律についての助言でもありません。