逆位置のカードは悪い意味ですか?

上下逆さまに出たタロットカードは、災いを告げているわけではありません。読み手によって意味の重心をずらす合図として扱われ、逆位置を使うかどうかもシャッフルの前にすでに決まっています。

いいえ、逆位置のタロットカードは不吉な意味ではありません。読み手から見て上下が逆さまに出たカードのことで、多くの流派ではそのカードを悪いものに変えるのではなく、もともとの意味の重心をずらして受け止めます。展開の中でいちばん優しい言葉を運んでくるのが逆位置のカードで、いちばん厳しい言葉を運んでくるのが正位置のカードだった、ということも珍しくありません。

逆位置が生まれる仕組み

疑問を解く手がかりは、まず手の動きにあります。カードが上下逆さまに出るのは、デッキの一部がどこかの時点で物理的にひっくり返っているときだけです。全部同じ向きにそろえたデッキをリフルシャッフルし、カットし、またリフルシャッフルしても、カードはすべて正しい向きのまま残ります。逆位置が生じるのは、山を分けて片方だけ裏返して重ねたときや、テーブルの上でカードを裏向きにかき混ぜたとき、あるいは手から滑り落ちたときです。

つまり逆位置は扱い方の結果であって、あなた宛てに送られたメッセージではありません。ふだんオーバーハンドシャッフルしかしない人は、一生のうちに逆位置を一枚も見ないかもしれません。逆にドミノを混ぜるようにテーブルの上でかき回す人なら、展開のおよそ半分が逆さまに出ても不思議ではありません。厳しいカードが逆さまに出た瞬間、その向き自体に何か意味があるように感じたくなりますが、あなただけが名指しされているわけではないと覚えておく価値があります。

逆位置をどう読むか、流派はひとつではない

逆位置に決まったルールはひとつではなく、いくつかの考え方が同時に使われているというのが正直なところです。よく見られる読み方を挙げます。

  • 内にこもる。 カードが持つ性質は存在するものの、外に表れず、行動よりも気持ちの中にとどまっている状態。
  • 滞る、または遅れる。 同じテーマが起ころうとしているのに、何かに引っかかって進まない、あるいは思ったより遅れて訪れる状態。
  • 行き過ぎ、または足りなさすぎ。 気前のよさが浪費に傾いたり、慎重さが行き詰まりに固まったりと、針が片方の端まで振り切れている状態。
  • 終わりに向かっている。 カードが描く出来事が、始まろうとしているのではなく、すでに終わりへ向かっている状態。
  • 裏の顔。 同じ主題の、あまり褒められない側面。正位置の絵が丁寧に隠している部分。
  • ただの強調。 逆位置を意味の変化としてではなく、じっくり考えるべきカードに印をつける蛍光ペンとして使うだけの読み手もいます。

このうち明確に悪い意味と呼べるものはほんの一部で、大惨事を告げるものはひとつもありません。どの流派を選ぶかよりずっと重要なのは、ひとつを選んだらそれを最後まで守ることです。カードが出るたびにルールを変える占いは、結局どんな結論にも寄せられてしまいます。

良い悪いという物差しがそもそも合わない理由

逆位置を悪い知らせと決めつけられない、いちばんはっきりした理由は、逆さまになることでむしろ和らぐカードが存在することです。塔は建物が突然崩れ落ちる絵柄ですが、逆位置になると、崩壊をどうにか耐え抜いた、あるいは食い止めた、先延ばしにできたと読まれることが多くあります。ソードの10はほとんどのデッキでいちばん厳しい絵柄ですが、逆位置になると、いちばんつらい部分はもう過ぎ去ったという意味で受け止められがちです。悪魔は習慣や状況に縛られている状態を描いていますが、逆さまになると、その縛りがゆるみ始めたと読まれることがよくあります。

逆の流れも同じだけ存在します。カップの10は正位置なら満ち足りた暮らしの絵ですが、逆位置になると、外から見えるほど中身は満たされていない家庭を指すことがあります。太陽が逆位置に出たときは、答えが否定されたのではなく、はっきり見えるまでに時間がかかっていると読まれることが多いです。正位置と逆位置は良し悪しふたつの箱に分かれているのではなく、ひとつの考えの両端であり、どちらの端が心地よいかはカードごとにまったく違います。

正位置だけで読む読み手も少なくない

正位置だけで読むという選び方も、昔からずっと通用してきた立派なやり方です。理由としてよく挙げられるのは、78枚のデッキはすでにとても広い意味の幅を持っていて、逆位置が付け加えるはずのものは、まわりの二つの要素、つまり隣に並んだカードと、そのカードが落ちた位置がすでに補っているという考え方です。

位置についてもう少し説明します。多くの展開では、カードを配る前から、それぞれの位置に「後押ししてくれるもの」「妨げになっているもの」「まだ気づいていないこと」といった役割がすでに割り振られています。妨げの位置に落ちたカードは、逆位置が担うはずだった仕事をすでにこなしているとも言え、そこへさらに逆位置を重ねると、意味がはっきりするどころか二重になってしまうことがあります。どちらの方法が本物というわけではなく、両方ともひとつの決めごとにすぎず、選んだやり方をどれだけ一貫して守るかのほうが、読みの質を左右します。

シャッフルの後ではなく前に決めておく

本当に避けたい習慣がひとつだけあります。それは、ルールを占いの途中で変えてしまうことです。気に入らないカードが出てから急に逆位置を採用したり、正位置の意味のほうが状況に都合よく合うからといってこっそりカードを回して正位置に直したりすると、その占いが持っていたはずの意味はほとんど失われます。ルールはデッキに触れる前に決めておいてください。

まだ慣れていないなら、次のような順番が現実的です。

  • まず正位置だけで読み、絵柄が見慣れたものになるまで続ける。78枚の意味を覚えるだけでもかなりの量なので、いきなり倍にする必要はありません。
  • 逆位置を取り入れたくなったら、意図的に始める。デッキを一度カットし、片方の山だけ向きを変えてから、ふたつを合わせてシャッフルします。
  • どちらの流派で読んだかをメモの先頭に書いておく。半年後にその占いを読み返しても、書いた当日と同じ意味で受け取れます。

逆位置にできないこと

タロットは筋道立てて自分を振り返るための伝統であり、絵柄は古くから伝わり、そこに込められた意味も広く記録されていますが、展開そのものが世界に働きかける仕組みではありません。頭の中にあった問いをカードの上に取り出して、目で確かめられる形にする道具です。

上下逆さまに出たカード一枚が、何かを引き起こしたわけでも、あなたに何かを約束させたわけでもありません。それはひとつの合図にすぎず、結果を変えるのは、その合図を読んだあとにあなたが何をするかのほうです。逆位置のカードが特定の不運を保証すると誰かに言われたら、まして、その不運を消すためにお金を求められたら、それはこの伝統がもともと持っていない話をされていると考えてください。占いを終えたら合図をどう受け止めたかだけをそっと持ち帰れば十分です。

よくある質問

初心者は逆位置も読むべきですか?
急いで取り入れる必要はありません。まず正位置の意味に慣れて足場を作っておくと、逆位置はそのあとから二段目として自然に重ねられます。長年占ってきた読み手の中にも、逆位置を一度も採用せず、正位置だけで読み続けている人が少なくなく、それで読みの深さが足りないと感じさせられることもありません。まずは78枚の絵柄そのものに、一枚ずつじっくり親しむことを優先してください。
展開のほとんどが逆位置で出たときは何を意味しますか?
たいていはシャッフルの仕方によって多くのカードが物理的に裏返っただけで、その日の問いの内容そのものとは関係がありません。逆位置が固まって出たことを、その話題全体が避けられている、あるいは抵抗されているしるしとして読む人もいますが、意味を深読みする前に、まずどんな手順でシャッフルしたのかを一度落ち着いて振り返ってみるほうが先です。手が滑って何枚か落としただけということも珍しくありません。
逆位置は正位置の意味をそのまま反対にしたものですか?
きれいに正反対になることはめったにありません。同じ主題が違う音量で、あるいは違う方向を向いて現れると考えるほうが実情に近く、外向きだったものが内向きに変わったり、到着しつつあったものが消えつつある状態に変わったりするといった具合です。意味をそのまま反対にひっくり返すだけの単純な読み方は、ひとつの展開の中でつじつまの合わない、矛盾したメッセージになりがちなので気をつけてください。
死神が逆位置で出たら良い知らせですか?
死神は正位置であっても、そもそも実際の死そのものを表すカードではなく、何かがひとつ終わることで、次のもののための場所が空くという意味を持っています。逆位置になると、その終わりに抵抗している、足止めされている、あるいは長引いていると読まれるのが一般的です。それを良い知らせと呼べるかどうかは、結局のところ、その変化をあなた自身がどれだけ望んでいたかによって変わってきます。

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