誠実で気前がよく、一緒にいて楽な亥。おいしい食事と正直な仲間への確かな食欲とともに、十二支をひと回り締めくくります。
ひと回りは、一年がようやく居心地よくなる場所で終わります。冬の入り口、仕事は片づき、食卓はいっぱい。それが十二番目にして最後の干支、五行では水にあたる亥です。なお、この動物は中国では豚、日本ではいのししとして数えられています。気前がよく、誠実で、一緒にいて肩が凝りません。日付の注意をひとつ。中国の年は旧正月に改まるので、1月や2月初旬の誕生日は、暦の上の年の干支ではなく、前の年の干支になります。亥の年が次に回ってくるのは十二年後です。数日の差で結論がまるごと変わる場所なので、ここだけは確かめておいてください。
亥が信用されるのは、実際に信用できるからです。思ったことを言い、駆け引きをせず、相手も同じようにしていると考えます。それがあなたの魅力であり、同時に死角でもあります。もめごとは苦手なので、その場を丸く収めてしまう。まっすぐな一文で片づいたはずの問題を、ずいぶん先まで引き延ばしてしまうこともあります。普通の暮らしの心地よさを、人より素直に味わえるのも亥の特徴です。人の話を疑わずに聞ける能力は、実際にはかなり貴重なものです。ただし、誰に対しても同じ強さで発動してしまうのが問題です。自分に嘘をつかない人なので、無理をしている時期はすぐ顔に出ます。断りきれずに引き受けた予定の数を、月に一度数えてみてください。
強み:見せるためではない気前のよさ。貸し、招き、食べさせ、手を貸す。しかも勘定をつけません。だから人は何年も覚えています。正直で、辛抱強く、誰かが当てにしていると分かったときには驚くほどよく働きます。許すのが早く、あなたのいる場所は、人が帰りたくなる家になります。居心地のよさを作れることは、性格ではなく能力です。頼まれた覚えがないのに、いつのまにか場の面倒を見ているのも亥です。感謝されなくてもやめないので、周囲はそれを当たり前だと思い始めます。人を集める力は、亥が思っているより特別なものです。気前のよさが、そのまま人間関係の資産になっている人です。あなたのまわりに人が絶えないのは、偶然ではありません。
弱点:信じるのが速すぎて、渡すものが多すぎる。そして、それに気づく種類の人間が世の中にはいます。断ることが失礼に思えるので、予定は人の頼みごとで埋まっていきます。問題が大きくなるまで正面から向き合わず、もっと骨のあることが必要な場面で、食べ物や買い物や気楽な夜に逃げてしまう。逃げ道が快適なぶん、腰を上げるのが遅れます。断れないのは優しさではなく、習慣です。習慣なら、練習で書き換えられます。問題が小さいうちに口を開くほうが、結局は角が立ちません。
仕事とお金:食と接客、介護や福祉、教育、小売、建設、娯楽。人と関わりながら、その日のうちに手ごたえが返ってくる仕事が合います。稼ぎは安定していて、心地よさと人のためにお金を使うのが好きです。だから貯めるには、いい心がけではなく仕組みが要ります。先に取り分けてしまう方式にすれば、亥のお金はきちんと残ります。収入より、残す設計のほうが課題だということです。楽しませる力がそのまま仕事になる、数少ない干支でもあります。人が集まる場所を作れるなら、それは立派な資産です。居心地のいい場所を作れる人には、必ず仕事が集まります。働いた分を自分の生活にも回すこと。これは浪費ではありません。
恋愛と相性:愛情深く、誠実で、温かさを隠しません。家庭の時間にいるときのあなたがいちばん幸せそうです。たくさん差し出す人だからこそ、ただ受け取るだけの相手ではなく、返してくれる相手を選んでください。気になることは早いうちに言葉にすること。あなたの辛抱は長く、そして切れます。そのとき相手は、何が起きていたのかまったく知りません。小さな不満を先に出しておくのが、いちばん親切なやり方です。尽くすこと自体が目的になってしまうと、関係の釣り合いが崩れます。相手が何を返してくれているかを、たまに数えてみてください。尽くした量ではなく、返ってきた量で関係を測ってみてください。誠実さは弱点ではありませんが、無防備さは別の話です。
相性のいい干支:試されるのは巳との関係でしょう。輪のなかで、自分からいちばん遠い点に座っている干支です。巳は理由を伏せたままにしますが、あなたは何でも食卓で言葉にしたい。ずっと機嫌よくいられるのは卯か未です。卯はあなたが望むのと同じくらい穏やかな家をつくりますし、未はあなたのやわらかさに応えて、世話をした分を返してくれます。予想しなかった味方は寅で、あなたが築いたものを守れるだけの度胸を持っています。卯や未といるときは、気を遣っている自覚さえなくなります。巳とは、説明の量をあらかじめ決めておくと衝突が減ります。寅は騒がしく見えて、あなたの穏やかさを尊重してくれる相手です。未はあなたの気遣いを当たり前だと思わない、数少ない相手です。
アドバイス:週に一度、丁寧な断り方を練習してください。それが冷たく感じられなくなるまで。あなたと一緒にいるのが好きな人ではなく、あなたに返してくれる人を見分けること。そして、いい食事といい仲間は手放さないでください。亥にとって、それは贅沢ではなく体力の源です。自分を後回しにする癖だけは、意識して直す価値があります。あなたが元気でいることが、まわりにとっていちばんの得だからです。自分の楽しみを削って作った余裕は、長くはもちません。たまには誰かにもてなされる側に回ってみてください。余裕は、あとで作るものではなく最初に取っておくものです。